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腹囲やBMIだけじゃ分からない隠れメタボの恐怖

腹囲が基準値以下でもメタボの可能性はある!!!

健康診断で腹囲を測るのは、危険な内臓脂肪がどのくらいたまっているか推測するためです。なぜなら内臓脂肪の蓄積はメタボリックシンドロームを招くからです

さて、メタボリックシンドロームの診断基準はご存じでしょうか?

「ああ、そういえば、健康診断でもらったパンフレットに書いてあったな。腹が出てたらメタボってわけじゃないんだよね~」

答えは、「内臓脂肪の蓄積に加えて、脂質異常症、高血圧、高血糖のうち二つ以上あてはまる状態」です

腹囲に加えて、脂質、血圧、血糖のうち二つ以上の項目が基準を超えるとメタボリックシンドロームと診断され、項目が一つだけ基準を超えたら予備軍です。

健康診断でメタボ判定に腹囲が使われるワケ

なぜ腹囲を重視するかというと、おなかに内臓脂肪が付いているとそれが脂質、血圧、血糖の数値を悪くする要因になると考えられているからです。

では、その基準とはどれくらいでしょう。なんと、健康診断の結果が「経過観察」だったら、すでに基準を超えているのです。

上の血圧は129まで、下の血圧が84まで。どちらかでも超えたら一つバツが付きます。

中性脂肪は1デシリットルあたり149ミリグラムまで、善玉コレステロールは40ミリグラム以上必要です。

血糖値は空腹時で同じく1デシリットルあたり109ミリグラム以下でなければいけません。

あなたは大丈夫?メタボ男性の事例

たとえば腹囲が87センチの男性が、上の血圧が142で、中性脂肪が1デシリットルあたり165ミリグラムであれば立派なメタボリックシンドロームです。

皆さんは大丈夫ですか? 現在では、男性の2人に1人、女性の5人に1人が、メタボリックシンドロームか、その予備軍と考えられています。

この診断基準は日本動脈硬化学会、日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本肥満学会、日本循環器学会、日本腎臓学会、日本血栓止血学会、日本内科学会が合同で検討を重ねて決めたもので、まさに日本の英知の結晶です。

ただし、内臓脂肪の量を腹囲の数値だけで十分に推測できるかどうかについては、当時から慎重な意見がありました。

そのため、メタボ健診の現場では、先にかかげた基準に修正を加え、腹囲が基準を超えている人だけでなく、BMIが正常範囲を超えている人も内臓脂肪が付いていると判断しているそうです。

BMIの数値がよくてもメタボな人、隠れメタボ

BMlは肥満の程度を示す国際的な尺度で、体格指数ともいいます。

お腹が出てきた自覚があったら、どのくらい肥満なのか、現実を直視してみましょう。そのための参考になる数値がBMIです。

以前は腹囲とBMIで二重にチェックをかければ、メタボに該当する人を見つけ出せるだろうと期待されていました。

自分の肥満度をBMIでチェックする

そもそもBMIの計算式は以下のようなものです。

BMI=体重÷身長×身長

体重が65キロで身長が1.7メートルの人なら

1.7×1.7=約2.9
65÷2.9=22.4

BMI=22.4

約15万人のデータを解析したところ、もっとも病気にかかりにくかったのがBMIが22の人たちでした。

このことからBMI22を適正体重として、18.5以上、25未満を普通体重と判定しています。BMIが25以上で肥満、35以上になると高度肥満です。

BMI

  • BMI18.5未満     やせすぎ
  • BMI18.5~25未満   正常
  • BMI25~30未満    肥満度1
  • BMI30~35未満    肥満度2
  • BMI35~40未満    肥満度3
  • BMI40以上      肥満度4

数字に幅を持たせてあるのは、同じように健康であっても骨太のがっちりした人もいれば、きゃしゃな作りの人もいるからです。

このBMIの判定も国によって違いがあり、日本でBMI25以上を肥満とするのに対し、米国では30以上が肥満です

ここでも、日本人は内臓脂肪が付きやすいことが―考慮されています。

BMIの数値だけでは分からない隠れメタボの登場

けれども、BMlにも欠点があるんですね。BMIは内臓脂肪も皮下脂肪も区別なく計算するため、そのうちどれだけが内臓脂肪かわかりません。

実際に、健康診断や人間ドックで得られた膨大なデータの解析が進むにつれて、腹囲とBMIの両方が基準値におさまっていても、よく調べると内臓脂肪が付いている人や、脂質、血圧、血糖の数値が高く、メタボリックシンドロームに当てはまる人がいることが明らかになってきました

いわゆる「隠れメタボ」です。しかも、その数がはんばではないのです。

2016年に厚生労働省の研究班が公表した推計によると、現在、メタボリックシンドロームに該当する人が全国に970万人いるのに対し、隠れメタボと考えられる人は914万人いるとされています。ほぼ同数ですね。

これまでの考えかたでは、腹囲かBMIのどちらかが基準値を超えなければメタボリックシンドロームと診断されないため、こういう人たちは専門家による生活指導を受けることもなく、見過ごされてきました。

そして、もう一つ、深刻な問題が見つかりました.これまではメタボというと、おなかの出た中年男性のイメージがありました。それが今回の推計で、隠れメタボは女性のほうが多く、男性の1.4倍にのぼることが示されたのです。

隠れメタボ914万人の内訳は、男性380万人に対して女性が534万人でした。この人数は今後さらに増えると予想されています。

内臓脂肪型肥満は、女性にとっても、スリムな人にとっても、他人ごとではないということです。

将来的には内臓脂肪を手軽に正確に測れるようになるかも

現在、内臓脂肪を正確に測るためには、CT検査しかありません。

しかし、装置が大型でどこの病院にもあるわけではないので、気軽に計測できませんし、費用もかかります。また、測定には放射線を使うため、若い女性にはあまり使いたくないという問題がありました。

体脂肪計のように簡単に使えて短時間で計測できる装置があれば、治療にも役立ちます。

医療機器メーカーの協力のもと、試行錯誤を重ねてきましたが、遂に実用化のメドが立ってきました。厚生労働省からも認可の下りている研究です。

軽い電波を流して計測する仕組みは体脂肪計と同じですが、お腹まわりに特化した機械なので、かなり正確な測定結果が出ます。継続的に測れば、運動や食事改善の成果が数値として確かめられるでしょう。

これまでの医療では、病気の予防や健康維持のための指標として、BMI、血糖値、血圧などが測られてきましたが、内臓脂肪量を直接測定するという概念はありませんでした。

将来は内臓脂肪量を指標とした診療や保健活動が、実践されるようになると思われます。

内臓脂肪型肥満への対策もより具体的で効果が期待できるものになっていくでしょう。ただし、運動と食事が大切なことは今後も変わりません。

こまめに身体を動かし、太りにくい食生活を心がけて下さい。

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